仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

「一大事」 (いちだいじ)

「これは一大事」などと用いられますが、「法華経」(ほけきょう)というお経の一節に「一大事因縁」(いちだいじいんねん)とあります。これはお釈迦さまがこの世に現れた「理由」のこと。その理由とは、さとった偉大な人の知恵をもって世の人に教え、その知恵をを示し、理解させ、知恵を獲得する方法を納得させることであり、これが「一大事」、サンスクリット(インド古語)の語源からすれば「ただひとつの偉大な目的と事業」なのです。

そもそもお釈迦さま教えの言葉を聞くこと自体、大変なことなのであって、お釈迦さまの一大事は、お釈迦さまに接する人にとっても「ひとつの大ごと」だということになります。 やがて私たちにとって大変な事がらを「一大事」とよぶようになり、さらに一般には「たいせつなこと」を意味するようになったものです。

「大事」というのは、この「一大事の」「一」がぬけたことば。しかし、「一大事」と「大事」とでは使い方がいつのまにか違ってきてしまいました。『いまはとにかく体が「大事」なので、体をこわすようなことがあったら、それこそ「一大事」ですから』というように使い分けられています。

「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師、著より


 
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