仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

「安心 (あんしん・あんじん)」

安らかな心と書いて、「安心」。「あんしん」と読む場合と「あんじん」と読む場合があります。心が安定している状態のことをいいますが、その反対の不安を考えてみると、心の持ち方ひとつなのですが、頼りにするものが頼りにならなくなると不安を感じるものです。

たとえば、夫や妻や親が亡くなったり、会社が倒産した場合など、原因はあるが対象がはっきりしない、心の頼りなき状態を不安といいます。
したがって、その理由や原因が解決されれば、比較的簡単に不安は払拭され、その状態を一般的には安心といいます。仏教の立場から不安の概念を考えてみると、人間は生きていく中であらゆる煩悩の根底にある根源的な欲求性、不満足性を内に秘めています。

しかし、それらがあるからこそ私たちの生活において、より豊かに生きたいという希望をもっているのです。

人間は生まれたがために、病気になったり老いたり死ぬという苦悩があるのです。
根源的・構造的な原因については、そう簡単には払拭されるものではありません。

「あんじん」と読む場合、心が宗教的な意味で不動の境地に達した状態をいい、
悟りを得たということになるのです。迷いと苦悩の多い私たちは、利害得失に一喜一憂し、日常の生活が安定すると安心する。しかし、さらに高いレベルの安心があることもわすれてはならないのです。

「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師、著より


 
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