仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

開発(かいはつ)

現代社会では、科学文明・物質文明が、驚くべきスピードで進歩、発達をとげております。そのかげには、当事者たちの並々ならぬ苦心と努力があり、その結果、技術開発、自然開発、さらには宇宙開発となって、大きな発展へとつながってきました。 その開発のすばらしさは、全く目をみはるばかりです。
しかし、開発のひずみとして各種の弊害も必然的に生じ、人類を苦しめている面もあることは見逃せません。開発の功罪は、各方面で大きな社会問題にさえなっています。こうした「開発」は、すべて物質的、技術的なものばかりを指していますが、元来そうしたものではありませんでした。
もともとは「カイハツ」てはなく「カイホツ」と読み、自分の心をたがやし、ひらくことであり、あるいは、他の人々の心に、より善い方向へ向かう心をおこさせることでもあります。ですから開発とは、「発心」(はっしん)〔心をおこす〕のことであり、「心華開発」(しんげかいはつ)〔心の華を開く〕のことでもあります。
物質文明には、いつの日か行きづまるときが訪れ、そのときはじめて、心華開発の重要さと、必要さに、いやおうなく気付かされるでしょう。物質的な開発ももちろん大事ですが、今日となっては、心の開発の方が、より重大で優先されなければならないときに来ているといえます。
心の破壊は、人類の滅亡にも直結するということを冷静に認識しなければならないと思います。

「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師、著より


 
成城山耕雲寺成城山耕雲寺
成城山耕雲寺
東京都世田谷区砧7-12-22 電話 03-3416-1735 FAX 03-3416-0392
Copyright© 2006-2008 seijozan kouunji All rights reserved.