仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第53話 サバを読む

 物の数を数えるとき、わざと多く数えてごまかすことを「サバを読む」といいますが、もともとは、禅宗の修行道場で行われている食事作法から出ています。禅宗の食事作法では、まず自分が食べる前に、食器からご飯を数粒つまんで取り出しておきます。これを生飯(サバ)といいます。
 この作法は、今こうして食事のできる幸せを感謝するとともに、飢えに苦しむ者や蓄類などに、たとえわずかでも飯粒を施すことによって、思いやりの心や素直な気持ちを喚起しようという一つの作法です。
 取り分けた生飯は、食事の途中で係りの者が集め、食事の後で野鳥などに施します。一方、食事を作る側は、人数に加えて生飯の分を見ておかなければご飯が足りなくなってしまいます。このことを「生飯を読む」と言っていました。この言葉が、一般社会では余分に数えて利益をごまかすことの意味になってしまいました。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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