仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第57 四苦八苦(しくはっく)

  大変苦労をしたことを「四苦八苦してしまった」といいます。 四区とは「生、老、病、死」の四つの苦です。「生苦」は生き ていく上での苦のことで、人は、その人生という旅路の中で、 困難な問題に直面し、またさまざまな苦労を体験します。 そして、病気になったり、年老いていき最後には死を迎えなけ ればならないということも、人間として生まれた以上避けるこ とのできない苦だといえます。
人生にはさらに次ぎの四つの苦があります。

@ 愛別離苦(あいべつりく)
会うは別れの始めと歌にも唄われ ていますが、どんなにいとしい者 でも別離の時はやってきます。

A 怨憎会苦(おんそうえく)
世の中、気の合う者ばかりではない、怨み憎しみを抱くような者とも、 いやおうなく付き合わなくてはな らない時もあります。

B 求不得苦(ぐふとっく)
求めるものが、なかなか手に入らない 苦しみ。

C 五蘊成苦(ごうんじょうく)…
人間の心身を形成している五つの 要素(肉体・感覚・想像・心の作用 ・意識という五つの機能)から生ず るさまざまな苦悩。

 このように「生、老、病、死」の四苦と後者の四苦を合わせて 八苦となります。そこから、どうしようもない苦しみのことを祥し て「四苦八苦」と形容するようになったのです。「生、老、病、死」 の四苦は、誰にもある普遍的な苦しみです。ところが後者の苦しみ には個人差があります。たとえば、目の前においしそうな食べ物が あっても、空腹の人と満腹の人とでは食べてみたいという心の動き は違うはずです。個人差があるということは、心の持ち方で苦しみ を受けるダメージを和らげる ことができるはずです。「四苦八苦」 の言葉の響きには、苦労したのだが手に入れることができた、難しかったが成功したというニュアンスが裏に潜んではいないでしょうか。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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