S 成城山耕雲寺 仏教から生まれた日常の言葉 正直(しょうじき)

仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第65話 正直(しょうじき)

 嘘やごまかしのないこと、素直で正しいこと、として使われている「正直」という言葉があります。
 この語は「方正質直」(ほうしょうしつじき)を略したもので、二字目と四字目を結んで、正直となりました。「方正」は、正しくしっかりした心、「質直」は素直な心のことです。「単伝正直の仏法は、最上中の最上なり」(道元禅師)、「仏の申すは正直を本となす」(日蓮上人)のように、お釈迦さまの教えをたたえる言葉として、ややかたくるしい意味に使われていたものですが、一般社会に広まり、庶民の日常語として気軽に使われるようになったといわれています。
 この言葉は、諺(ことわざ)としても多く用いられ、「正直の頭(こうべ)に神宿る」「正直の儲けは身につく」「正直は一生の宝」「正直は最後の勝利」など、世間を渡っていくには、正直であることが何より大切であることを説いていますが、反面「正直者は損をする」「バカ正直」「正直貧乏」などと、正直すぎる人を揶揄(やゆ)し、皮肉る諺もあります。現代において、正直者が正当に報われないことも多く、そのような矛盾した社会は、悲しく残念なことです。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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