S 成城山耕雲寺 仏教から生まれた日常の言葉 上品・下品(じょうひん・げひん)

仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第67話 上品・下品(じょうひん・げひん)

 一般に、言葉づかいや動作が、あかぬけてしっかりしている人のことを「上品な人」といい、その反対に粗雑な言動の人を「下品な人」といいます。この語の起源となった仏教では「品」 をヒンとは読まずにボンまたはホンと読み、上品はジョウボンと読みます。仏教の中でも極楽世界に生まれ変わりたいという浄土信仰の中で、極楽世界に到達するには、その人の能力や資質に応じて、九種類に分けられると考えました。

 まず、上品(じょうぼん)、中品(ちゅうぼん)、下品(げぼん)の三種類に分け、それぞれを更に上生(じょうしょう)、中生(ちゅうしょう)、下生(げしょう)の三種類に分けました。つまり、上の上、上の中、上の下、中の上、中の中、中の下、下の上、下の中、下の下ということになります。

 最高位の上品上生(じょうぼんじょうしょう)(上の上)の人とは、誠実な心、深く信ずる心、善行を積み重ねて極楽世界に生まれたいと願う心の三種の心をもった人のことです。以下それぞれの条件がつけられて最下位の下品下生(げほんげしょう)(下の下)の人とは、仏教を非難したり、親を殺したりおよそ考えられる悪事を行った者で、その結果として地獄に堕ちるが、最終的には阿弥陀仏(あみだぶつ)に救われて極楽世界に生まれることができるというもので、たとえ自分がどこにいようと、最終的には極楽の世界に生まれ変わることができるという浄土真宗の考えです。

このように仏教で使われていた上品(じょうぼん)・中品(ちゅうぼん)・下品(げぼん)が、一般社会に転用されて、上品(じょうひん)、下品(げひん)だけが現在も使われているのです。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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