S 成城山耕雲寺 仏教から生まれた日常の言葉 所得(しょとく)

仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第69話 所得(しょとく)

 一九六〇年代半ば、「所得倍増、私はうそは申しません」と言った首相がいました。日本は高度成長時代に入り、多くの人の夢と希望がかきたてられ、物資の出まわりがよくなり、外貨残高は急増、円の実力は上がっていきました。「所得倍増」というのは「国民総所得」のことで「国民総生産」と同じようなもの。個人の所得と企業の所得が共に倍増、ということは、結局、物価も倍増し、なんだかだまされたような感じがしたものでした。

 「所得」というのは、サンスクリット語の「ウバラブディ」「ウバラブタ」の漢訳語で「所有(しょう)」とも訳されています。一般には自分の所有となるもの、収入、利益などを言います。「無所得(むしょとく)」というと収入や獲得するものがないことですが、仏教では、得るものがないということは執着のない状態てあり、とらわれの心がなく自由な境地のことをいいます。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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