仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第72話 善哉(ぜんざい)

 小豆(あずき)のつぶしあんの汁の中にモチが入ったものを「ぜんざい」といっていますが、もとはお釈迦さまがよく使ったといわれているほめことばです。お釈迦さまは、弟子た ちが意にかなった答えを出したときなどに「善い哉、(よいかな)善い哉」、音読みでは「ぜんざい、ぜんざい」、現代風には「けっこう、けっこう、まさにそのとおり」というのがクチ グセだつたとか。このことばが経典と共にわが国に入ってきて、やがて謡曲や狂言などに使われるようになりました。

 はじめのうちは神や仏が人間をほめることばだったのが、江戸時代の中期にはあの食べ物の名称になっていたようです。
その頃は、砂糖を使い、しかもモチの入った食べ物といえば、そうとう高価であり、めずらしいものであったはずです。

そこで「なかなか、けっこうなもんですなー」が「善哉(ぜんざい)」といわれるようになったというのです。語源といえば、インド古語サンスクリット語「サードゥ」の 漢訳語で「よい」とか「宗教的に正しい」という意味から「修行者」のことをいうようになりました。しかし、インドの修行者に「ぜんざい」なる食べ物を差し出しても、なんのことやら理解できないでしょう。それほどまでにかけ離れたものとなっているのです。ところで、ひと口に「ぜんざい」といっても関東と関西では違うようで、ところかわれば品かわる。

「おしるこ」と「ぜんざい」あなたはどちらがお好みですか?

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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