仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第75話 刹那(せつな)

刹那主義とか刹那的などと使われるこの言葉は、インド・サンスクリット語のクシャナという言葉の音訳で、極めて短い時間の単位のことです。十二ヶ月を一年、三十昼夜を一ヶ月 という考え方は古代インドにすでに存在しておりました。

 このような時間の単位として一番短いものがクシャナ(刹那)で、現代の時間に換算すると一刹那は一秒の七十五分の一になるといわれています。現在では「彼女はひどく刹那的な気持ちになった」とか「彼は刹那主義だ」という使われ方をしますが、刹那主義とは過去や未来のことを考えずに、現在の瞬間瞬間を楽しく過ごそうという考え方です。このように「どうせ死ぬのだから今のうちに楽しまなくちゃ」とか「将来のことはどうなるか分からない。現在のこの一瞬が大事なのだ」と考えてあとの ことは考えないことを刹那主義とか刹那的といっています。

 これでは快楽主義的でニヒリスティックで絶望的な雰囲気があります。しかし、過去のことにいつまでもクヨクヨせず、現在の一瞬一瞬に充実した生き方をしていくことは大事なことといえます。そして、その一瞬一瞬が積み重なって、よい結果を生み出していくのです。「こうしたい」と思っていてもなかなかできないのが現実ですが、希望は大きくもって、現在を大切に生きたいものです。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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