仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第84話 弾呵(たんか)

 「見損なっちゃいけねえ!」と、威勢よく歯切れのいい言葉でまくしたてることを、「たんかを切る」といいます。この「たんか」は「弾呵」と書きます。
 お釈迦さまが存世当時、その教えを篤く信仰した人に「ユイマ(唯摩)」という人がいました。ユイマは、一般の修行者の考え方や修行方法について、間違いや不心得の点があれば指摘したり、矯正をしていました。この指導や矯正のことを弾呵といいます。「弾」は誤りを正すこと、「呵」は強く叱ることです。
 これが後に、強い口調でポンポンまくしたてることを「たんか」というようになり、字も当て字ができて「啖呵」と書くこともあります。なお、「たんかを切る」の切るは、しゃべるでは表現上の威勢のよさが出ないので、ちょうど刀でスパッと斬りすてるように、まくしたてる語勢を示すために「切る」と表現したものでしょう。また、今ではあまり見られなくなりましたが、バナナのたたき売りなどのように、商品を威勢よくわめきながら売りさばく口調を「啖呵売(たんかばい)」といいます。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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