仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第87話 長老(ちょうろう)

 どこの世界でも「長老会議」といえば年をとったおじいさんたちが「若者たちにはまかせられねェ」などと言っている光景が目に浮かびますが、この「長老」ということばは、もともと「老人」のこととはかぎりませんでした。
語源はインドのことばを漢字に訳したもので、修行をしっかり積んだ徳の高いお坊さんのことをいいます。また、「長老」には「寿命を有する」という意味もあるので「老人」と解釈されたのかもしれませんが、年をとったというよりも「生命力にあふれた」と言う意味で、ヴァイタリティ―にみちた立派な人を呼ぶときの尊称として使われていました。
現在でも、寺院において若い修行僧のリーダーを「長老さん」と言っています。以前、日本の政界のことを「長老政治」といったことがあります。比較的高齢の政治家が穏然たる実権を握って、政権を自分の思う方向に導こうとしたことからいわれたものですが、果たしてそのような人が「長老」といえるのでしょうか。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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