仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第89話 知事(ちじ)

 静岡県知事とか東京都知事などのように、都道府県を統轄代表する首長のことを「知事」といいます。この語源はインド語の中にみられ、中国に伝えられて、特に禅宗寺院において事務の運営をつかさどる責任ある役職名として使われ、現在でも使用されています。
知事には六種あります。

都寺(つうす) 寺全体の責任を負う総監督。
監寺(かんす) 都寺を補佐し、寺院の諸事を総領する。
副寺(ふうす) 寺の収支をつかさどる会計係。
維那(いのう) 修行僧を指導監督し、法要をつかさどる係。
典座(てんぞ) 炊事のすべてを統轄する料理長。
直歳(しっすい) 営繕や耕作など作業に関する責任者。

以上の六役を総称して「六知事」または「知事」といいます。こうした寺院の機構が、昔の中国で政治面にも応用されて、州県の長官を「知事」といっていたのを日本でそのまま踏襲したものです。
現在、日本の知事は、選挙によって選ばれることになっています。その名にふさわしい、人格、識見ともに高潔で、すぐれた首長を選出いたしましょう。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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