仏教から生まれた日常の言葉

成城山耕雲寺

第91話 通(つう)

 プロではないけれど、その方面についての知識、能力をもっている人のことを「通」といいます。「食通」(最近ではグルメというが)「外国通」「パチンコ通」までさまざまあります。通といわれている人は、たいがい自分の持っている知識を自慢したがる癖があり、「通ぶっちゃって」とかげぐちをたたかれることになるのです。このことばは、もともと「神通(じんつう)」とか「神通力(じんつうりき)」のことで、特別な修行を完成した人にそなわるとされる「超能力」みたいなものをいいます。

(1) 神通(じんそくつう):どこにでもたちどころに行けるという力。
(2) 天眼通(てんげんつう):あらゆることを見通す力
(3) 天通(てんにづう):何でも聞くことができる力。
(4) 他心通(たしんづう):他人の心を読み取る力
(5) 宿命通(しゅくみょうづう):前世のありさまをすべて知る力。
(6) 漏尽通(ろじんづう):迷いがつきてなくなった、つまり悟ったということを認識する力。

以上六つが「六神通」といわれる代表的なものです。家庭常備薬でたいがいの病気には効くといわれた『六神丸』という薬がありますが、これも六神通をもつ丸薬という意味のようです。そのほか、透明人間のようになったり、山のように大きくなったり、ケシ粒のように小さくなったりと楽しそうな神通が仏教にかぎらずインドにはたくさん伝えられています。

静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より


 
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