第40話 お釈迦さまのお悟りについて

仏教を説かれたお釈迦さまは、ゴーダマブッダと呼ばれインドのネパールのルンビニーの花園にて誕生したのである。
釈迦族の貴族として生まれ、なに不自由のない生活を送っていたが、もの心がついた頃より人生の苦しみを味わい、何とか自分で解決しようと妻子を捨てて29才にて出家し、自分の体を犠牲にして6年の苦行生活を送った。
骨と皮ばかりにやせおとろえ何のために苦行をしたのか自問自答したがそれに満足せずにいた。
ある日ネーランジャーラ河で水浴し、村娘スジャータの捧げる乳びにより体力を快復し、近くのブッダカのガヤー村のピッパラ樹(菩提樹)の下で瞑想して、ついに12月8日のあけの明星を見てお悟りをひらかれたのである。
即ち成道(じょうどう)である。悟りとは神がかりになって神通力を得、神になったのではない。本当の自分や周囲のあり方に目醒めたのである。

仏陀とは人の名ではなく覚者(かくしゃ)又は悟り、目醒めたひとのことである。
その悟りとは、われわれには本来「我 (が)」がない。そしてすべてのものが絶えず変化する。この事実を知らずに自分の「我」に固執し、すべてのものが不変であると錯覚をおこす迷いの心が、われわれを苦しめるのだと考えた。
だからこの我執から自分を解放する事が苦を脱する道であると悟った。そしてお釈迦さまは近くのサルナートで5人の直弟子に説法したのである。
そこから仏教は始ったのである。