第56話 お香(こう)について(1)

仏事供養の時、焼香を行うに際し、お香は欠くべからずものです。
インドは熱い国であり、中国は肉を常食としているため、体臭を消すために香を体にぬったり、たいたりする週間が古くからあり、身を清めて仏を供養するときに焼香をすることが 仏教に取り入れられたのです。
香には白檀などの香木を細かくしてそのまま使うものと、これを加工して練り合わせた練香(ねりこう)があります。一般的に使われるのは練香の一種で粉末状にした抹香と線香です。 抹香は、もともと沈香と白檀香を混ぜたものです。
わが国には仏教伝来とともにこの風習が伝わり、奈良時代には抹香をたくのが広まり、やがて仏事供養時や葬儀時に焼香するようになってきた。
そして、仏教では焼香とともに水、塗香(ずこう)、花、供物、燈明も仏の供養に欠かせないものです。