第58話 太鼓(たいこ)について

太鼓というと、お祭りの時にドンドンと鳴らされることが多いのですが、古代インドの奏楽として用いられたのが始まりといわれ、中国では1日の時報告知にされていたといわれています。
日本では、『華厳経』の中に「正法の鼓をうち、十方刹を覚悟せしむ」と記されています。
建久5年(1194年)に作られたのが最古で、仏教の主要行事に取り入れられるようになったといわれます。
太鼓は各寺院には、もうひとつの鳴り物である鐘楼と対(つい)にして時を知らせることとして鳴らされています。
現在は仏教の鳴物だけでなく、世界に広く精霊や鳥や敵をおどし撃退させる楽器として、又、西洋では音楽にも用いられオーケストラにも欠かせないものにもなっています。

この太鼓と書くのは、能楽で大鼓(おおづつみ)と区別するために「太」の字を使ったといわれています。