第62話 僧侶とは

僧侶とはもともと仏教の教えに帰依する人々の集まりを表し、梵語では「僧伽(サンガ)」と言っている。
のちに仏門に入り、出家得度をした人を僧侶と呼ぶようになった。
私共は一般の方から僧侶と接する時、何と呼んだらよいのですかと聞かれる事があるが、いくつかの呼び方を下記に列挙してみる。(呼び方は属する宗派や地位によっても若干異なる。)

1 和尚(おしょう)・和上(わじょう)=人々と接して教えを説く師
2 院主(いんしゅ)=寺院の代表者
3 方丈(ほうじょう)=維摩経の主人公。維摩居士の居室が一丈四方の故事により、禅宗では寺院の住職・長老等の居室を指して方丈と呼び、住職そのものを方丈と呼ぶ。
4 住持(じゅうじ)・住職(じゅうしょく)=寺の主(あるじ)の僧。寺院に住む主官者。
5 門主(もんす)・管主(かんす)・化主(けしゅ)=宗派一門の最高責任者
6 上人(しょうにん)・聖人(しょうにん)=学徳兼備の名僧
7 禅師(ぜんじ)=禅の修行を積んだ高貴な僧
8 国師(こくし)=国の太子の指導役として、仰がれる僧
9 大師(だいし)=名僧が朝廷より賜る尊(敬)称
10 入道(にゅうどう)=貴人・武人で新たに仏門に入った僧
11 新発意(しんぼち)=俗人から新たに仏門に入った僧
12 坊主(ぼうず)=大寺院の僧坊を監督する僧。のちに僧侶の蔑称となった
以上の様にいろいろな呼称があるが、その僧侶の属する呼び方で呼んで頂ければよい。