第101話 馬鹿(ばか)
日常的によく使われることばですが、語源としては馬と鹿を見間違ったからなどといわれています。諸説があるものの、インド古語サンスクリット語の「モーハ」を語源としているという説が有力です。モーハは、中国において「莫迦」「婆伽」などと音訳され、日本に伝えられ当て字で「馬鹿」と書かれるようになったものです。モーハには「物ごとの理非曲直が分からないこと」「無知」「迷い」という意味があり、馬と鹿の見分けもつかないような愚かな人という意味で、見方、考え方の間違った人や、ものの道理が分からない人のことを「馬鹿」というようになったとされています。私たちは日ごろ何気なく使っている馬鹿の語も語源に思いをいたせば乱用はひかえたいものです。
静岡県成道寺 伊久美 清智師 著より