第17話 仏壇について

仏壇の始まり

仏壇はもともと自分の信ずる仏を祀ったといわれています。
わが国では約1300年前の白鳳時代、天武天皇即位の時「諸国の家ごとに仏舎をつくり、仏像・経文を祀り以って礼拝供養せよ」との詔布を発布して以来より起因し、それぞれの家に仏舎という持仏堂を建てました。次第に時代が移るにつれて、一般庶民の家の居間に仏壇が置かれるようにもなりました。

お寺には本堂の中心に須弥壇があり、正面に御本尊が安置されています。そして宗派によって異なる仏様が祀られ、さまざまな仏具に囲まれています。家に飾る仏壇はミニ寺院の役割を果たし、須弥壇が仏壇の原型になっているのです。仏壇内の飾り方等については次回にお話しいたします。

お位牌とご本尊様

仏壇を買い求める時、必ず用意すべきものが宗旨のご本尊とお位牌です。
身近に仏様がいないからお位牌はいらないと考えがちですが、それは間違いです。
私共は必ずご先祖があっての今の命なのですから、身近に仏様がいなくても「○○家先祖代々」としてのお位牌をつくり、ご本尊様と一緒に収めるものです。

仏壇の中に飾るものは?

次に仏壇内の全てを整える為に、仏具というお道具が必要となります。まず「花立て・一対」「蝋燭立て・一対」「香炉(線香を立てます)・一つ」を合わせて五つとなります。これを五具足(ごぐそく)といいます。
五具足を簡略化したのが三具足で「花立て・一つ」「蝋燭立て・一つ」「香炉・一つ」の三つのお道具です。
この他に、鈴(りん)・鈴台(りんだい)・鈴棒(りんぼう)の一式、仏飯器(ぶっぱんき)毎朝炊き立てご飯を入れます、茶湯器(ちゃとうき)お茶を入れます、高つき(果物やお菓子をのせます)が必要となります。
また、余裕があれば、法事やご命日の供養に使う御霊膳や、経机(きょうづくえ)も揃えると良いと思います。
飾り方は最上段にご本尊様、その両脇に脇侍仏(わきじぶつ)や、お軸(掛軸)をかけます。
上卓(うわじょく)の上に仏飯器や茶湯器を供え、前卓に花立て、蝋燭立て、香炉の具足を飾ります。
五具足の置き方は、中央に香炉を置きその両脇に蝋燭立て、さらにその外側に花立てを置く事になります。
三具足の場合は中央に香炉を置き、向って右に蝋燭立て、左に花立てとなります。