第24話 御中元(おちゅうげん)について
お正月とお盆は一年のうち必ず訪れる我が国最大の行事である。
お正月は言うまでもなく年の始めであり、お盆は一年のなかばで、過ぎ去った半年への反省とこれからの展望をするのによい時期である。
お盆には「御中元」という贈答の習慣がある。
これはもともと中国の道教に伝わる行事で、愛の神をまつった7月15日の祭りに、インドから伝わった仏教のお盆行事が結びついて日本に伝わってきた。
御中元に品物を贈答するようになったのは、我が国の室町時代に、中元の日に贈り物を仏前に供えたあとで集まった人々が一緒に食べた習慣が、次第に生見玉(いきみたま)である親にも贈り物をするようになり、これが他の人にも拡大解釈されるようになったのである。