第66話 なぜ、ほとけさまに供花(きょうか)、食物等をささげるのか
お花を供えるのは、見る人の心をなごませ、ほとけ自身を荘厳すると共に、それを眺める自分をも満足させられる。
また、ほとけさまでなく、こちら側を向けてささげるのは、ほとけさまにささげること自体が自分にささげていることになり、共に養い、共に喜ぶ事を意味している。
ほとけに供養するものは、仏教では殺生を禁じているので、肉や魚、又、においのはげしいもの以外と香りのよいお香、お線香、そしてお菓子や果物等に限っているが、自身の善根功徳を積んで、それを人にほどこせば、自分のためにも他人のためにもなり、自分のなした行いが、めぐりめぐって自分に戻ってくるという思想に基づいているのである。
ほとけさまが、ささげられた香華を眺め、供物を実際に食べるわけではないが、そうすることにより、自分の心が淨められ、他の人々の心も淨められる。うるわしい行為なのです。